鍼灸古典『黄帝内経素問』四氣調神大論篇(四氣)

四氣

四氣…春夏秋冬の四季の気候

  • 春:少陽:生:肝
  • 夏:太陽:長:心
  • 秋:太陰:収:肺
  • 冬:少陰:蔵:腎

ただし、この四氣は古代中国の四氣のことを言っているため、そのまま今の日本に当てはまるかどうかは微妙です。

陰陽

春と夏は陽を養い秋と冬は陰を養うことが重視されていました。

ただ、これは大まかにはということです。季節は少しづつ移り行くものですから。

逆らわない

四氣調神大論篇には、四季が移り変わる中でその自然の流れに逆らった時に出てくるトラブルについて書かれている一節があります。

逆春氣則少陽不生肝氣内變

逆夏氣則太陽不長心氣内洞

逆秋氣則太陰不収肺氣焦滿

逆冬氣則少陰不藏腎氣獨沈

黄帝内経素問.四氣調神大論篇.
  • 春氣に逆らう⇒少陽生↓⇒肝氣が伸びない⇒陽気こもる
  • 夏氣に逆らう⇒太陽長↓⇒心氣が抜ける⇒虚す
  • 秋氣に逆らう⇒太陰収↓⇒肺氣が散る⇒熱がみちる
  • 冬氣に逆らう⇒少陰蔵↓⇒腎氣が沈む⇒他臓氣とわかれる

上のリストは自分なりの解釈が入っています。

こんなふうに自然に逆らわずに生きられれば最高ですよね。でもそんな簡単にはいかないわけです。その中でどうにかうまくやっていくってことですね。

現実路線

素問には日常の養生や心のあり様について書かれているところがたくさんありますが、この四氣調神大論篇にも書かれています。

ここには書いていませんが、その内容は正直かなりハードルが高いものです。俗世から離れて山奥で仙人でもやっていればそれも可能かもしれませんが、、、と感じるような内容なんですよね。

例えば、春から秋までは早寝早起きしなさいと書いてあるのですが、冬だけは早く寝て遅く起きなさいと書いてあります。現代でも言われますが、古代から言われていたのですね。私はこれすら守れそうにありません。。

きっと、素問を書いた人たちも、四季のルールを守れないであろうことはわかっている上で書いたのでしょう。でも、理想を追えばその1/10くらいは達成できるかもしれないと考えたのかもしれません。そう思いたい。。

世の中はどんどん便利になりますが、自然の流れに抵抗すれば無理がきます。その抵抗が激戦にならないくらいに、話し合いくらいで解決できるように心掛けたいものです。

治未病

この篇の終わりに有名な一文が出てきます。

聖人不治已病治未病

黄帝内経素問.四氣調神大論篇.

聖人は、病になったものを治すのではなく、まだ病にならないうちに治す

未病は、まだ病ではない状態のことなのはわかります。問題になるのは、病はどういう状態なのかということだと思います。

病気のことを疾病とも言いますが、簡単に言うと、疾は病気のごく初期の状態、病は明らかに病気の症状が出ている状態です。

「未病は病気ではない状態だが全くの健康とも言えない状態」という解釈が一般に用いられています。最近は行政のホームページにもそう言う意味合いで使われています。しかし、また違う解釈があるのかもしれません。

どちらにしても、病気は予防第一であり、もし既に病気になっているのなら初期治療が重要になることは言うまでもありません。

だいたい川崎たまに鳥取。