鍼灸古典『黄帝内経素問』三部九候論篇

この篇の大部分は脈診について書かれています。この篇の近辺はみんな脈についての篇です。脈診を重視する鍼灸師ならかなり読み応えのあるところですよね。

特にこの天地人の三部に分ける考えは素問の基本事項です。鍼灸ではよく応用されている部分です。

調

…必先度其形之肥痩、以調其気之虚実、実則写之、虚則補之、必先去其血脈、而後調之…

黄帝内経素問.三部九候論篇.

実には写、虚には補。先に血脈を去り、からの補瀉。

血気形志篇にも似たような一文が書かれています。三部九候論篇と血気形志篇を合わせても数十文字の文。この記載が後世になってからその解釈をめぐって散々議論されることになるとは当時の人も想像できなかったでしょうね。

何処が何処か

ここのキーワードは、上実下虚、索結、繆刺、通、節、という感じでしょうか。私的キーワードなのでだいぶ偏ってますが。

…経病者、治其経

孫絡病者、治其孫絡血

血病身有痛者、治其経絡

其病者、在奇邪、奇邪之脈、則繆刺之

留痩不移、節而刺之

上実下虚、切而従之

索其結絡脈、刺出其血、以見通之…

黄帝内経素問.三部九候論篇.

イレギュラー(でもないかもしれないんですけど)は反対を刺す、上実下虚なら渋滞してる絡脈を探す。

気になるのは「」です。「留痩不移而刺之」の「節」が何を意味するのか。。

関節の節なのか、節度の節なのか。ここは解釈がわかれるところです。関節の節なら積極策寄りの安全策と考えられますが、節度の節なら消極策寄りの安全策という感じになります。このあたりの解釈も人によって変わると思いますが、どちらにしても解釈によってだいぶ違う意味になってしまいます。

私なら、節度を守りつつ関節を狙います。ただし、関節部の筋肉でも関節内でもありません。関節部の皮膚を対象にしています。

だいたい川崎たまに鳥取。