夢は必要?
人生の夢は活力のもとになることがあるし、就寝中の夢も脳に必要なものと考えられています。私にも叶えたい夢がありますし、寝れば夢をみます。
通常、たとえ自覚がなくても誰しも一晩に3つくらいは夢を見ていると考えられています。そう感じない人もいると思いますが、それは起きた時に夢を覚えていないから。
通常と少し違う状態として、睡眠中にたくさん夢をみる(覚えている)状態のことを中医学では多夢(たむ)と言います。それが楽しい夢なのか悪夢なのかということではなく、とにかくたくさんの夢を見ていると本人が感じている状態です。
通常、ほとんどの人が目覚めた時に覚えている夢は1つか多くても2つだと思います。それが3とか5とかストーリーを覚えていると、かなりたくさんの夢を見た実感が伴うはずです。
みんな夢を見る
夢は誰しも見ます。一晩にだいたい3〜5つくらいは見ているようです。でも目覚めた時に見た夢を3つも4つも覚えている人は少ないですよね。
なんとなく夢を見たような気はするけど、なんの夢だったかな。。
そんな感じのことが多いですよね。起きた時は何となく覚えていてもすぐに忘れてしまったり。
夢を見ているのは睡眠中。そのため記憶としてはっきり残ることが少なくなります。睡眠中の脳はそういう働きをしていないんですね。
浅い眠りと言われるレム睡眠のタイミングで目が覚めれば記憶に残りやすいですが、深い眠りと言われるノンレム睡眠のタイミングで目が覚めると記憶に残りにくくなります。
夢を何年も見ていないと感じている人もいると思います。それは見ていないわけではなく、覚えていないということのようです。
夢を見ることと覚えていることと睡眠の質
たくさん夢を見たと感じるのは眠りが浅い可能性があるためだと言われています。
レム睡眠の最中に目覚めると夢を覚えていることが増えます。眠りが浅くなって一晩に2〜3回くらい目が覚めてしまうというような場合、それだけ夢を覚えている機会が増えます。
夜間の中途覚醒がない上にノンレム睡眠のタイミングで目覚めるような人の場合は、何年もほとんど夢を見ていないような感覚になったり。
夢をたくさん見たからと言ってすぐさま睡眠の質が低いとは言えませんが、傾向としては夢を多く覚えている人の方が睡眠の質的な低下が予想されます。
睡眠がうまく取れなくなる理由は様々ですが、理由が何であれ慢性的に夢を覚えている機会が増え、それが不快感のある夢や悪夢ならそれだけでストレスになりますし疲れます。
また夢とは無関係に、眠りが浅ければ睡眠の質が低下している状態ですから疲労感が残ります。それが続けば次第に疲労が溜まっていくこともあります。
多夢の鍼灸治療ケース
5〜6年前からうまく睡眠がとれなくなって、夢をたくさん見るから寝た気がしなくて朝から疲れている。特に首すじが凝る。悪夢をたまに見る。その他の症状あり(省略)。
鍼灸治療:頭肩背へ散鍼、四肢へ単刺、末端刺絡。これらを中心に適宜調整した。
睡眠状況:徐々に中途覚醒が減り、それに伴って多夢症状が軽減した。初療日から1週間ほど睡眠時間が伸び中途覚醒なく多夢症状もなかったが、その後に中途覚醒が2回に戻り多夢症状も戻った。4〜8療日にかけて中途覚醒が1回の日が増え、朝の疲労感が減った。9〜10療日にかけて中途覚醒が2回に戻ったが、起床時の疲労感は強くならなかった。10療日以降に中途覚醒が1回や中途覚醒しない日が増えた。13療日以降は中途覚醒が1週間に1回程度になった。10療日以降は多夢を感じることはほとんどなくなったが、たまに悪夢を見る点は変わりなし。